日本ではお正月に「お雑煮」と呼ばれる伝統的な料理を食べます。
地域によって具材・味付けなどが異なり、郷土色豊かな料理でもある「お雑煮」、今回はその魅力をご紹介いたします。
お雑煮は、レストランなどではほとんど食べる事ができません。
お正月に、各家庭で作って食べる料理だからです。
でも旅行者の皆さん、ご安心ください。お正月の時期には、たいてい宿泊している旅館やホテルの朝食で食べることができますよ。
年末年始に日本を訪れた際は、ぜひ堪能してみてくださいね♪
お雑煮とは?
お正月三ヵ日(1月1日・2日・3日)に食べて新年を祝う料理のことで、お餅を主体に、数種の具材を加えて煮た汁物です。
地方や家庭ごとに色々な種類があります。
お雑煮の歴史
古くは室町時代(1300〜1500年代)頃には食されていたとされ、当時は武士の宴会で一番初めに酒の肴として振舞われていたようです。
つまりお雑煮は宴の始まりに「一番最初」に食べる縁起のよい料理であり、そのことからやがて一年のはじまりであるお正月に食べるようになったといわれています。
また、年越しの夜に神様に供えたお餅と地場の産物を、年明けになってからひとつの鍋で煮て食べることで、一年の無事を祈るとともに、豊かな暮らしと自然の恵みへの祈りが込められているとも言われます。
汁の種類が豊富って本当?
お雑煮のベースとなる「汁」は地域・家庭ごとに多様な種類があります。
たとえば昆布などでだしをとった「澄まし汁」仕立てや、「白味噌+だし」で仕立てた汁を用いることが多いです。
そのほか、イカやトビウオ、フグや塩鮭、干しエビなどの様々な魚介類をだしに用いたものなどもあります。
地域ごとに違う顔を見せるお雑煮
それでは、日本各地のお雑煮をご紹介します。
各地で親しまれているお雑煮のスタイルはだいたい決まってはいますが、さらに各家庭のレシピも存在していて、日本人同士でもお互いの家のお雑煮について話題になることは多いです。
時にはお互いのお雑煮についてケンカになることもあったり!
ともあれ、北から順に、日本各地のお雑煮について、見ていきましょう。
北海道風
お餅は「焼き餅」・ 汁は「すまし汁」。
鶏ガラを使うことも多いようです。
具材は鮭の切り身+にんじん+しいたけなどにイクラと三つ葉を散らしたものなど。
東北風
岩手県を例に出すと、汁は「すまし汁」、具材は山菜+大根+にんじん+ごぼうなど。
さらに、焼き餅をくるみでつくったタレにつけて食べます。
東京風
お餅は「焼いた角餅」・汁は「すまし汁」。
具材は鶏肉+小松菜+カマボコなど。
京都風
お餅は「湯煮した丸餅」・汁は甘みのある「白味噌仕立て」。
具材はヤツガシラ(里芋の一種)+金時ニンジン+大根+焼き豆腐+塩ブリの切り身など。
奈良風
吉野郡地方では、汁は「白味噌仕立て」、具材は里芋+にんじん+大根など。
さらに、丸餅を別盛りのきな粉(大豆粉)に付けて食べます。
岡山風
お餅は「丸餅」・汁は「すまし汁」。
具材はブリ+ほうれん草などの野菜などで具沢山なのが特徴です。
広島風
お餅は「丸餅」・汁は「すまし汁」。
具材は名物の牡蠣+にんじんなどの野菜など。
香川風
お餅は「丸餅」・汁は「白味噌仕立て」。
具材はニンジン+大根+青のりなど。お餅の中に小豆あんが入っているのが特徴。
福岡風
お餅は「丸餅」・汁はトビウオのだしを使った「すまし汁」。
具材は塩ブリ+しいたけ+里芋など。
まとめ
食生活も豊かになり、世界各国の料理も簡単に味わえるこの日本ですが、お雑煮はやっぱりお正月におうちで食べるものという意識がありますね。
これからも、お正月ごとにおいしいお雑煮を食べていきたいものです。